梅羊羹

06.起きられない

 

日は高いが起きられない。
冬はあまりの寒さに目が覚めたし、夏は暑さで眼が覚めたというのに、春はさっぱり起きられない。
春眠暁を覚えずとはよく言ったもので、寝ているとつい寝過ごしてしまうのだ。
そこでおいらは考えた。
「寝なければ良いのだ」
我ながら明暗である。寝なければ、寝過ごすことはないから朝食を食い逃がすことはありえない。
明日はなんと週に一回のピザトーストの日だ。これは絶対起きなければいけない。
しかし、眠らないようにするにはどうすれば良いのだろう。
とりあえず思いつく限り試してみる事にした。
テレビを見ている。
「もうすぐ10時だぞ。子供はさっさと寝なさい」
父さんにテレビを消された。
風呂に入る。
「あんたさっき入ったでしょ」
母さんに見つかり断念。
顔に洗濯ばさみをつけていく。
「ライオンごっこか?」
兄貴にとことん馬鹿にされて、あろうことかものすごくひっぱられて泣いた。
泣いたら母さんがやってきて兄貴が殴られて、兄貴も泣いた。
洗濯ばさみで遊んでいたと思われて、母さんに怒られてまた泣いた。
「悪い子には恐ろしい化け物がやってきて、頭からバリボリ食べちゃうのよ!」
そう言って怒った母さんの方が怖い。
「あと、夜更かしする子は朝食抜きですからね!」
おいらは仕方なく眠ることにした。
そしてまた寝坊して、またも兄貴がおいらの分まで食べちゃった。
おいらはいつも不満だ。



最終更新日 2005/05/05
一    言 子どもの居る風景って楽しいですよね。