|
繁栄と荒廃を繰り返して、人は歴史を造ると言う。
それはまるで進化の歴史のように、あるいは宇宙の始まりから終わりのように。
そんな雄大な時の流れの前では、人はあまりにも儚く脆いと、男は痛感していた。
「兄ちゃん、その荷物こっちにもらえるかな?」
急に声をかけられた男は静かに振り返る。胡散臭い男が三人立っているというのに、そこには焦りも驚きもない。
「お前等にくれてやるものは何も無いさ」
そう言って、瞬時に上着から取り出した拳銃を男達に発砲するが、向かって右端の細身の男は脇にあった柱の影へと難無く避ける。
しかし、狭い地下駐車場のため、残りの二人は逃げ場所がなかった。
すると、中央のやたら体格の良い男は、左端の小太りな男を盾にして銃弾を避ける。
他人の命など関係が無い。生き残った奴が勝ち。それがこの世界、エクサイドだったので、残虐ではあるが当然の行動と言えよう。
発砲した男は、発砲しながら走り出し、男達を引き離すと、停めていたバイクのエンジンを急いで入れて、駐車場を後にした。
「馬鹿正直に誰が相手するかっての」
あちこち穴の開いた道路を突っ走り、堅牢な造りの病院の前にバイクを止めると、荷物を小脇に抱えて乗り込む。
男を通すまいと立ちはだかった看護婦を振り切り、指定された手術室へと荷物を持って駆け上がる。
手術室の手前に立っていた豹柄の服の女が、酷く不愉快そうな顔で男を罵倒し、手術室に入るなと叫んだ。
その声が中にも伝わったのだろう。
手術中という赤いランプの下から、血まみれの看護婦が現れる。男は荷物を看護婦へと渡した。
最後の最後まで、豹柄の服の女は男から荷物を奪おうと暴れたが、男に突き飛ばされてその場にしゃがみ込む。
「ちきしょう! ちきしょう! あいつが死なないじゃないか!!」
女の吐き散らした言葉に、男が尋ねる。
「旦那が生き返ったら、監獄行きか?」
「黙れ! この糞野郎! 一介の配送者の癖に知った風に言うんじゃねぇよ!!」
そう言いながら崩れ泣く女を横目に、男は治療室を後にした。
男が住処へ帰り、ラジオを付けると、速報が流れてきた。
著名な大富豪の男が、臓器移植により、生死の境から奇跡的に生還。大富豪を殺害しようとした容疑で、その妻とその部下達が捕まったらしい。
つまらないニュースだなと思いながら、硝煙臭さに気付いた男はラジオを消してシャワーを浴びた。
男の名前は空乃銀次。22歳。
足の速さと、仕事の成功率は、配送者仲間からも一目置かれる青年だが、見かけはまだまだ未成年で通るだろう。
孤児院で育ったが、八年前にその孤児院が戦禍によって灰となり、配送者となった。
配送者とは、依頼主の元に安全に荷物を届ける仕事で、民間の宅配業者では困難な荷物を色々と扱う。
常に死の危険は付きまとうが、それは、殺るか殺られるかというご時勢では、他の仕事もさして変わりない。
汗を流しさっぱりしたところで、時間を見れば、もう夕陽へと変わる頃だった。
仕事の緊張から解放されたことも手伝って、銀次は空腹を覚えて外出した。
場所はいつも通り、近所の喫茶店dropping moonだ。
堕ちた月という名の通り、店内は度々起こる強盗との銃撃戦などで、クリーム色に塗られたコンクリートの壁には無数の穴が開いている。その様はまるで月のようだ。
勿論、そんな理由で付けたわけではなかったのだが、今では銀次が吹聴するそちらの理由の方がしっくりくると店主も苦笑いしながら頷くほどだ。
ここの店主と銀次は顔見知りで、同じ孤児院で育った。店主の入れるコーヒーは絶品で、仕事でくたびれた日には必ず訪れた。
今日も美味しいコーヒーと、何か腹に溜まるものを頼んで、兄貴と雑談でもしようか。
そんなことを考えながら、銀次は、傷だらけの扉に手をかけた。
凛とした鈴の音が店内に響く。
こじんまりとした店内は、扉を開けるとすぐにカウンターがあるといった感じで、テーブル席もたった三つしかない。
人っ子一人いない店内を不信に思いながら、カウンター席につくと、店の奥から誰かが出てきた。
「いらっしゃいませ」
そう言ったのは、顔見知りの店主ではなく、赤い髪の優男だった。
「兄貴はどうした?」
「さぁ? 私には分かりかねます」
そう言って小さく肩を上下させた相手は、声音の妙と良い、華奢な体つきと良い、男なのか女なのかはっきりさせない。
「もう一度聞く。兄貴はどうした?」
「ですから、私には分かりかねます。空乃銀次さん」
薄く笑った相手の額に、銀次は無表情のまま拳銃を押し当てる。
空乃銀次。この名を知る者の多くは、孤児院の関係者で、彼等の多くが戦禍に巻き込まれて死んだ。
仕事柄、今はただの銀次で通すことが多いのだから、苗字を知っているということは、かえって危険だった。
しかも、相手は、兄貴分である店主のことを知らないと言いながら、店主と同じ服装でカウンターの向こうに立っている。
兄貴の身に何か起きたのでなければ、兄貴が銀次を裏切って何か企てているとしか考えられない。
「撃ち殺しても悪夢が終わるわけではありませんよ」
笑いながら拳銃の先を握った相手の瞳が、ジッと銀次を見つめる。
危険な相手だ。それだけは分かった。躊躇い無く引き金を引こうとした瞬間、後ろから抱きつかれる。
銃口をそちらへ向けると、銀次の背中に、小さな少女が抱きついていた。
歳の頃はたぶん5、6歳だろう、茶色の巻き髪が印象的な少女は、悲しそうな瞳で銀次を見上げて言う。
「パパを撃っちゃヤダよぉ」
潤んだ瞳に、銀次はハッとした。
銀次はその瞳を良く知っている。
孤児院が焼け落ちる中、子ども達の母代わりをしていたシスターを助けようと、銃を持った相手の前に飛び出した友人の瞳だ。
友人は撃たれ、シスターも銀次を逃がすためにその背に銃弾を浴びた。
気が削がれた銀次は、拳銃をしまって少女がパパと呼んだ相手を見る。
「ここは兄貴の店だ。なんで見ず知らずのあんたがそこにいる?」
問われた方は、実に楽しそうに声を立てて笑う。
「あっはっは! そうですか、ここは貴方にとっては見知った喫茶店に見えるわけですね。失礼、そうとは知らずについ意固地になってしまいました」
「どういうことだ」
「ここは貴方にとっての夢です。貴方の入ってきた扉が戻らなければ、決して出られない場所です」
「夢だって? 俺は白昼夢でも見てるのか?」
「そういう風なものです。まぁ、扉が戻るまで暫く時間もあることですし、警戒しないでくださいな」
自身を夢だと名乗って笑う男に、銀次は軽い眩暈を覚えた。
こんな愉快で、妙にリアルな感覚の白昼夢を見るようになってしまったとあれば、誰だって眩暈の一つや二つはするものだろう。たぶん。
「まだ警戒されているようですし、何かお出ししましょう」
「お料理するのっ!? シグレが作るぅっ!!」
男が言った瞬間、シグレと名乗った少女が満面の笑みで勢い良く店の奥へと消えていった。
子どもというのは、思慮が足りない。目先のことに目がいってしまいがちだと銀次は思う。
実際、つい今しがた、自分の父を殺そうとした相手と、父を残して店の奥へ行ってしまうのだから、かなり思慮が足りない。
だからこそ、戦火から逃げる最中、自分の食べる分を笑いながら差し出し、喰えと言ってくれた兄貴のことを、銀次は心の底から慕っていた。
「全く、あの仔は料理を作りたがって困る」
男のぼやきに、銀次は嫌な予感がすると思いながら、カウンター席をざっと見回した。
すると、カウンターの端に龍の置物があった。
赤い水晶で出来た龍は、血の赤というよりも、薄紅色で、暖かな春の花を思い出させる。
花好きのシスターが手入れしていた、孤児院の花壇には、春になると薄紅色の花が咲いていた。
見事に咲いたでしょうと、自慢気に話すシスターと、綺麗な花にうっとりする少女達。花よりも、優しい母のようなシスターに夢中だった銀次や男子達。
しかし、内戦は全てを赤に染めてしまった。血の赤と炎の赤とが、孤児院と沢山の友人の命と、シスターを奪った。
その光景が鮮やかに甦って、銀次は小さく震えた。
「泣いてらっしゃるのですか?」
言われて、銀次は頬を拭う。擦った右手の甲が僅かに湿ったので、確かに泣いていたらしい。
「よろしければ、涙の理由をお聞かせください」
と、男が優しく笑った瞬間、金属が勢いよく何かにぶつかる音が響いた。
音に驚いた銀次が顔を上げると、男は優しい笑みから一変、優麗な顔を怒りに歪めて叫ぶ。
「だから、何度失敗すれば気が済むんだ!!」
(ほぼ毎回?)
銀次は、先ほど抱いた嫌な予感が、更に大きくなるのを感じつつ、店の奥へと消えた男の声に耳を傾ける。
「なんで包丁が手から抜けただけであんな音がするんだ!!」
響いてきた言葉に、銀次も首を傾げた。確かに、包丁が手から抜けただけで立つような勢いの音ではなかった。
「フルーツを切るだけでどうしてこんな風になる!?」
(どうなってるんだよ、厨房)
一抹の不安をよそに、厨房からは熱血指導の声と、号泣しながらも料理を続けているらしいシグレの声が繰り返し響いてきた。
暫くすると、銀製のトレーに料理を載せた店主がやってきた。
「お騒がせしてすみません」
その顔が引きつった笑みを浮かべているので、銀次は曖昧に返事するに留める。
今更ながら、あんなに沢山の子どもの面倒を見ていたシスター達に、銀次は頭が下がる思いだった。
「これは貴方に是非食べていただきたくて、娘が盛り合わせたサンドウィッチです」
そう言って出されたサンドウィッチに、銀次は呻く。
乱雑にみみを切り落としたパンの間には、溢れんばかりに生クリームが挟まっている。他にも、生クリームと一緒に謎のフルーツが挟まれたものがいくつかある。
(これは夢だからな。こう見えても、意外に味は美味しいという落ちかもしれない)
「これはお口直しに私が用意しましたサンドウィッチとコーヒーです」
どうも、味だけ美味しいという落ちは期待できそうにないらしかった。
銀次は、シグレに心の中で一度謝ってから、店主の差し出したサンドウィッチとコーヒーを受け取った。
こちらのサンドウィッチはミミをそのままにしたセサミで、色鮮やかなサラダがサンドされている。ものによっては、フルーツが緑野菜と共に挟まれていたが、まずそうには見えない。
兄貴の入れるものと寸分変わらない、絶妙な美味さのコーヒーで喉を潤し、サンドウィッチを摘んでいく。
摘むたびに、銀次の瞳から涙が溢れてきて、いつの間にかサンドウィッチを全部平らげると、一人静かに泣いていた。
頭の中では、死んでしまった大切な人々の顔が、何度も何度も繰り替えし浮かんでは消えた。
やっと気持ちが落ち着いたところに、男が声をかけてくる。
「何故、泣かれているんですか? 宜しければお聞かせ下さい」
その言葉に、銀次は頷いて話し始める。そこには、夢だから話しても問題はないだろうという安心感があった。
「俺はある孤児院で育った。兄貴ともそこで出会った。だが、長く続いた内戦で孤児院も灰になった」
多くの子どもと、親役のシスター達が死んだ。
特に子どもからの人気が高く、銀次も懐いていたシスターから、その時魔法と言うものの概念を受け継いだが、それで飯が喰えるわけでもなかった。
魔法は、原子を操って水を生み出したり、人を分解することはできたが、パンは与えてくれなかったからだ。
それに、魔法という概念が廃れて久しい世界で、それを使えば色々な者の目に付くことも教えられていた。
銀次に残されたのは、役立たずな魔法という概念と、思い出だけだった。
新しい住処を探して放浪していた銀次は、ある少女と出会った。
その娘はシスターに似た趣があって、優しさと内面の強さを持った素敵な女性だった。
銀次と娘は恋に落ち、娘の暮らしていた、避難民の集落で暮らすことになった。
よそ者である銀次を快く思わない者もいたが、同じように内戦の犠牲者であった銀次を多くの人が受け入れてくれた。
とても幸福だった。
しかし、戦禍はその集落さえも飲み込み、銀次から娘さえ奪った。その事実を知ってから、銀次は根本から湧く感情や、表情といったものを失ってしまった。
生きる目的さえも失った銀次が、ぼんやりと放浪していると、兄貴と再会した。
苦しい時代で、その日暮らしもままならないというのに、兄貴が差し出してくれた食料の味は今でも格別だったと思える。
兄貴が死ぬなと言ったので、銀次は死ねなくなってしまった。いや、それは言葉のあやであって、実際には生きようという意志を兄貴から貰ったという方が正しい。
それからの銀次は、孤児院の頃から自慢だった健脚を武器に、配送者になって今に至る。
今では、喫茶店を始めた兄貴との語らいによって、少しずつではあったが感情を取り戻しつつあったが、まだまだだった。
とはいえ、今日のように、ふと何かの弾みで過去を思い出す時、銀次は泣いてしまうのだ。
死んでいった友人たちのことを、助けられなかったシスターのことを、そして、戦火に巻かれて骸さえも行方の知れない愛しい娘のことを思って、泣いてしまうのだ。
「あいつは、突然の爆撃で命を落とした。きっと、自分がどうなったのかも分からないうちに死んだんだ。それがたまらなく辛いんじゃないかと思うんだ……」
言って、また溢れてきた涙を拭った銀次の目に、男が映った。男は何故か、笑っていた。
「辛いかどうかは、死者にしかわかりません。辛いと思うのは貴方の主観にすぎない。そして、その辛さから逃げることも、人はできる」
蔑むような冷たい瞳にゾクリとして、銀次はつい聞き返してしまう。
「俺が逃げていると?」
「いいえ。ただ、逃げてしまった男を私は知っているというだけのことです」
言いながら、男は新しいコーヒーを銀次のカップへと注ぐ。
「ある所に、不幸な男がいましてね。妹を殺されたことを怨んで、殺人犯を殺そうと傭兵になったんです。それから数年経って、失踪中だった男の兄が現れました。兄は、薬に溺れていて、男に金を工面してほしいと頼んできました。男は断り続けましたが、兄の方は男の住処にまで上がりこみ、男に薬を覚えさせます」
「道連れか」
配送者をやっていると、薬中と向かい合うことも多い。それは、配送の邪魔をしに着た相手だったり、依頼主だったり、時には同業者だったり。
辛く苦しいご時勢では、逆に薬に頼らないでいられる人間は少なかったし、そういうものに溺れた奴は、道連れを探すものだった。
幸運なことに、銀次は薬の厄介にはなっていないが。
「寝ている間に薬を入れて、薬の虜にした兄に激怒し、男は兄を殺してしまいます。実のところ、殺人犯が実はだいぶ前に死んでいたことを知った直後でもありましたから、どちらの怒りが勝っていたかはわかりません。まぁ、それまでにも沢山の人間を殺してきた男ですから、兄を殺したことそれ自体は問題ではなかったんです。問題は、薬による幻覚の中に、失ったはずの妹を見るようになったことです。男は妹に会うために、自ら薬を求めるようになりました。薬がきれて、ふと我に変える一瞬、そんな浅ましい己を呪い、心の平安を求めて宗教にのめり込んだそうです。しかし、薬の与える楽園も、神の与える楽園も、彼の心を完全には癒してくれなかった」
そう言って、男は笑った。
「人間、逃げるとどこまでも不幸になる。良い見本でしょう?」
その笑みが銀次を不愉快な気分にさせた。
仕事上、性格の悪い相手と話すことは多かったが、目の前の男は今までで一番最悪なように感じた。
そう思っていると、いつの間にか銀次の傍らに腰掛けたシグレが口を挟む。
「ねぇ、パパ」
「なんだ? それと、私をパパと呼ぶな」
笑うのをやめて、男が厳しい顔つきでシグレを見る。
「男の人って女の人が死ぬとダメになっちゃうの?」
「ぶっ!!」
シグレの不意をつく言葉に、男と銀次は同時に噴出した。
運悪くコーヒーを飲んでいた銀次など、変なところにコーヒーが入ってしまい、激しくむせった。
「もしそーなら、ママが死んだらパパもダメになる?」
「そんな期待に満ちた目で見ても、私はダメにならんからな」
「なんだぁー」
ギロリと睨んだ男に、シグレは実に残念そうな声を上げて笑った。
この親にしてこの子ありという言葉を、今まさに思い浮かべた銀次は、口元を拭ってから男に尋ねる。
「どういう教育をしてるんだ?」
「私の方が聞きたいぐらいです」
答えた男は、心底そう思っているようで、まるで自分に非はないと言いたそうだ。
不意に店内に鈍い音が響く。見ると、扉が戻っていた。
「夢が終わります。お帰りはあちらの扉ですのでお気をつけて」
「そのようだな」
銀次は立ち上がり、扉に向かって歩いた。
「現実に戻っても、貴方が信じたものがそのままであると良いですね」
扉を閉める直前、聞こえた言葉に振り返る。
「何?」
しかし、鈴の音と共に、銀次の目の前で扉は閉まってしまった。
もう一度開くのは気が引けたし、夢だったはずなのに腹が膨れていたので、銀次は住処へと帰ることにした。
凛と透き通った鈴の音が響き扉が開かれる。
「宅配便っスー。ここに置いとくっスー」
「はーい」
拍子抜けするような声に、これまた拍子抜けするシグレの声が返答すると、荷物が扉の内側へ置かれ、扉はまた閉められた。
シグレはいつも通りという風に、その荷物を拾ってカウンターへと置く。
「開けていーい?」
「駄目だ」
「えっ」
開けようとした瞬間にダメだしされて、シグレは硬直し、泣きそうな瞳で男を見る。
「お前が承諾も聞かないで開けようとするからだ。かしなさい」
言われてシグレは不満そうに荷物を渡すと、テレビ画面を見た。
無表情で配送者を続ける銀次は、以前よりも少しやつれたように見えた。
傍らで荷物が解かれる音がして、シグレは画面からそちらに視線を移す。
「ふむ、これは芸が細かい」
取り出したのは、透明な半球状のドームがついた、ミニチュアだ。
片手に収まってしまうほど小さなそれを見ていた男に、シグレが瞳を輝かせて尋ねる。
「食べていーい!?」
「駄目だ」
「むぅ、今日のパパはケチだよぉ」
「私だって腹は減る。それと、パパと呼ぶな」
「パパのバーカ!!」
シグレはそう怒鳴って、店の奥へと走っていってしまった。
「だからパパと呼ぶなと言ってるだろうが!!」
シグレに負けないほどの声で怒鳴ると、男は溜息を吐いて苦笑した。
「全く、あの性格はどっちに似たんだ?」
しかし、答えるものは誰もなかった。
ドームの中には、黒い屋根の孤児院らしい建物が一つ、薄紅色の花畑に囲まれている。
半球状のドームの中には水張られ、振ると、赤と黒の小さな破片が無数に舞う。
それはまるで、優しい少年時代を焼き尽くしてしまった戦禍のように、建物へ降りそそぐ。
土台部分に隠された小さなスライドの中には、黄ばんだ紙片が隠されている。この世を呪う言葉が書かれた紙片が。
名 前:空乃 銀次
読み仮名:そらの ぎんじ
年 齢:22歳
外見年齢:18歳くらい
性 別:男
種 族:人間
世 界:荒廃した世界「エクサイド」盗み、争いなどが絶えない、やらなければやられるといった世界。魔法と言う概念もあるが、世間には知られておらず、ごく一部の人間が使うことが出来る。
職 業:配送者(依頼者のもとに安全に物を届ける仕事)
飲 食 店:喫茶「dropping moon」(堕ちた月)コーヒーが絶品
性 格:静かで冷徹、人の死を実感できない。
不幸要素:自らの大切な女性と大切な場所を内戦で失った。それ以来感情をなくたように見える、たまに見せる涙も過去の出来事による物。
備 考:14歳の時、自分の住んでいた孤児院を内戦による、
被害で失った、そのとき母代わりとなっていたシスターから、
魔法と言うものの概念を受け継いだ。
それは、元素を操る能力であり、宙に水を作り、
人を元素レベルから破壊することも可能である。
店 主:兄貴(孤児院で一緒に暮らした年上の為)
|
キャラクター提供元 : 白狼 鉄 様
最終更新日 2005/05/13
感 想 わりと「堕ちた月」の命名理由が好きです。 銃撃戦でクレーターみたいっていう下り。 考えた時に「してやったり」と思ったものです。
|